
こんにちは。千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」です。
歯列矯正を検討する際に、装置が目立たず取り外しが可能なマウスピース矯正を選択される方は多くいらっしゃいます。
しかし、マウスピース矯正は、歯並びによっては対応できないケースもあります。マウスピース矯正ができない場合、どのような治療法があるのかも事前に知っておくと、歯列矯正の選択肢が広がるでしょう。
今回は、マウスピース矯正ができないケースや、マウスピース矯正を行う前に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製の装置を歯に装着して、少しずつ歯並びを整える矯正治療です。従来のワイヤー矯正と異なり、取り外しが可能で目立ちにくいため、見た目や日常生活への影響を抑えたい人に人気があります。
マウスピースは患者様ごとにオーダーメイドで作られ、一定期間ごとに新しいものに交換して段階的に歯を動かしていきます。食事や歯磨きの際には取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすい点も特徴です。
ただし、装着時間を守らないと効果が出にくいため、自己管理が求められます。
マウスピース矯正ができないケース

以下6つのケースでは、マウスピース矯正ができない場合があります。
- 進行した歯周病がある
- 重度の噛み合わせ異常がある
- インプラントが複数本入っている
- 埋伏歯がある
- 自己管理が難しい
- 永久歯が生え揃っていない子ども
それぞれ詳しく解説します。
進行した歯周病がある
歯周病が進行すると、歯茎やその内部にある歯を支える骨にまで影響を与え、最終的には歯がグラグラしたり、抜け落ちたりするリスクが高まります。このような状態で矯正治療を行うと、歯の動きによって症状がさらに悪化し、歯の保存が困難になることもあります。
特に、マウスピース矯正では、装置が歯全体を覆う構造になっています。口腔内の衛生状態が悪化しやすく、歯周病の原因菌が内部に留まりやすいです。そのため、治療を始める前に、まず歯周病のコントロールを行い、清潔な状態を維持することが大切です。
重度の噛み合わせ異常がある
上下の歯が正しくかみ合わず、歯並びに大きな乱れが見られる状態を不正咬合と呼びます。代表的な例としては、歯が密集して生える叢生(そうせい)や、前歯が前方または後方に大きくずれている出っ歯・受け口などがあります。
不正咬合が重度の場合、歯を抜いてスペースを作ったり、大きく移動させたりする必要があり、マウスピース矯正では対応が難しいとされることがあります。また、骨格に原因がある不正咬合の場合は、外科手術と合わせて治療が必要なこともあります。
見た目では軽度に見える歯並びの乱れでも、かみ合わせの関係や歯の傾きなどによって、マウスピースでは改善が難しいと診断されることもあります。
インプラントが複数本入っている
インプラントとは、失った歯の代わりに人工の歯根をあごの骨に埋め込む治療法です。人工歯根には、歯を支える歯根膜が存在しません。そのため、矯正治療において歯を動かすために必要な組織反応が起こらず、インプラント自体の位置を変えることができません。
インプラントが複数本ある場合は、歯列全体を理想の位置に動かすのが難しくなることがあります。マウスピース矯正を希望する場合は、インプラントを入れる前に全体の治療計画を立てておくことが重要です。
埋伏歯がある
埋伏歯とは、本来生えるはずの歯が歯茎や骨の中に埋まったまま、口の中に現れていない状態を指します。マウスピース矯正では、歯の見えている部分にマウスピースを装着して力を加えるため、歯が露出していない埋伏歯には力をかけることができません。
埋まった歯を動かすためには、外科的に歯茎を切開して専用の装置を取り付け、少しずつ引き上げる処置が必要になります。この処置はマウスピース矯正では対応できないため、通常はワイヤー矯正との併用や、場合によっては抜歯が選択されることもあります。
治療方針は、歯の位置や状態に応じて慎重に判断されます。
自己管理が難しい
マウスピース矯正は、自由に取り外しができる点が特徴ですが、その分、患者自身のセルフコントロールが大切になります。理想的な装着時間は1日あたり20時間以上とされており、これを守らないと歯が計画通りに動かず、治療効果が得られにくくなります。
さらに、食事の際にはマウスピースを取り外し、食後には丁寧に歯磨きをしてから再装着する必要があります。マウスピース本体も、常に清潔を保つためにこまめな洗浄が求められます。
日々のケアが不十分だと、治療期間が延びたり、予定通りの結果が得られない可能性もあるため注意が必要です。
永久歯が生え揃っていない子ども
成長途中の子どもでは、矯正治療の期間中に親知らずや他の永久歯が新たに生えてくることがあります。歯の萌出や、想定外の位置に歯が出てくるケースでは、事前に作成されたマウスピースが合わなくなることがあります。
マウスピースの適合が悪くなると、計画通りに歯が動かず、治療の効果が出にくくなるばかりか、治療プランの修正が必要になる場合もあります。そのため、永久歯が生え揃っていない子どもには、マウスピース矯正があまり適さないことが多いとされています。
マウスピース矯正で治せる歯並び

マウスピース矯正で治せる歯並びは、軽度から中等度の症例が中心です。実際にどのような症例に対応できるのか、確認しましょう。
軽度〜中等度の歯のがたつき
歯が部分的に重なっているなど、軽度~中等度の歯のがたつきの改善はマウスピース矯正で可能でしょう。歯が並びきれていない状態やスペースが足りない場合、歯の削合(IPR)などを併用すればマウスピース矯正が可能になることがあります。
軽度な出っ歯・受け口
上の前歯が少し前に出ている場合には、マウスピースで引っ込めることが可能です。下の前歯が上の前歯より前に出ている状態の受け口も、軽度であればマウスピースでの調整が可能です。
ただし、重度の場合はワイヤー矯正や抜歯を伴う治療が必要になります。
すきっ歯
前歯の間に隙間がある状態のすきっ歯は、マウスピース矯正で歯を寄せて改善可能です。すでにスペースがあるためIPRや抜歯を必要とせず、容易に改善できることも多いです。
マウスピース矯正で対応できないときは

マウスピース矯正で対応できない場合は、他の矯正方法や補綴治療が用いられます。主な選択肢は、以下の4つです。
- ワイヤー矯正
- ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用
- 外科的矯正治療
- セラミック矯正
それぞれ詳しく解説します。
ワイヤー矯正
金属または透明なブラケットとワイヤーを使い、歯を動かす方法です。細かい動きや大きな歯の移動、複雑なかみ合わせの調整にも対応できるため、適応範囲が広いのが特徴です。長い歴史があり、症例数も多いため安心して治療できるメリットもあります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用
ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用することで、それぞれの長所を活かしながら、効率的な治療が可能になります。
まずはワイヤー矯正で歯を大きく移動させ、歯列の大まかな形を整えます。その後、マウスピース矯正に切り替えることで、細かな歯の位置やかみ合わせのバランスを微調整していきます。
ただし、複数の装置を使用するため、治療費が高くなる傾向がある点には注意が必要です。
外科的矯正治療
骨格のズレが大きい場合には、矯正単独では改善できず、あごの骨を調整する外科手術が必要になることがあります。矯正と外科処置を組み合わせることで、機能的かつ見た目にも整った仕上がりを目指せます。
セラミック矯正
歯を削って被せ物を装着し、見た目を整える治療法です。短期間で歯並びをきれいに見せたい場合に選ばれることがあります。
歯の健康な質を削る必要があるため、慎重に検討する必要があります。
まとめ

マウスピース矯正は、取り外しが可能で目立ちにくいため、見た目や日常生活への影響を抑えたい方に選ばれています。
しかし、マウスピース矯正ができないケースもあり、歯並びの乱れが大きい場合や骨格に原因がある場合は、ほかの矯正治療を選択する必要があります。マウスピース矯正は、軽度から中等度の歯並びの乱れを整えられる矯正方法です。
マウスピース矯正ができないと判断された場合は、ワイヤー矯正や、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用した治療方法などを検討しましょう。マウスピース矯正を検討している方は、お近くの歯科医院で相談してみましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまの「悩み」「想い」をしっかり聞いて、質の高い治療を提供しています。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、予防歯科、審美歯科、インプラントなどさまざまな診療を行っています。