
こんにちは。千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」です。
歯並びを整える矯正治療の一つに、床矯正があります。取り外し可能な矯正装置を使い、顎の成長を利用しながら歯が正しく並ぶためのスペースを確保する方法です。成長期の子どもに実施することが多く、抜歯をせずに歯並びを改善できる可能性があることが特徴です。
しかし、床矯正にはメリットだけでなく、デメリットもあります。メリット・デメリットを理解したうえで、治療を検討しましょう。
この記事では、床矯正の仕組みやメリット・デメリット、費用について詳しく解説します。
床矯正とは

床矯正とは、取り外し可能な装置を用いて顎の骨を拡大し、歯が正しく並ぶためのスペースを確保する矯正治療法です。成長期の子どもに行われることが多く、顎の成長を利用して歯列を整えます。
床矯正装置は、入れ歯のような形状をしており、内部にネジが組み込まれています。このネジを定期的に調整することで、少しずつ顎を広げて歯が正しい位置に移動するスペースを作ります。
装置は取り外しが可能で、食事や歯磨きの際には外すことができるため、口腔内の衛生管理がしやすいという特徴があります。
床矯正のメリット

ここでは、床矯正の主なメリットについて詳しく解説します。
装着時間が短い
床矯正で使用する装置は、日中には装着しません。学校で装着するのが難しいお子さまや、ご自身で装置を管理するのが難しいお子さまでも受けやすい治療といえます。
お家で保護者の方の目が届く時間帯のみ装着して治療を進めるので、学校生活に影響を与える心配がありません。また、装置は自宅でしか使用しないため、紛失するリスクも低いです。
抜歯を回避できる可能性が高い
矯正治療では、歯をきれいに並べるスペースが足りない場合、抜歯が必要になることがあります。
しかし、床矯正では顎の成長を促しながら歯列の幅を広げるため、自然なスペースを確保しやすく、抜歯を避けられる可能性が高くなります。特に、永久歯が生えそろう前に治療を開始することで、より効果的にスペースを作ることができます。
そのため、将来的に抜歯をせずに歯並びを整えたいと考えている方にとって、有効な選択肢となります。
取り外せるため衛生管理がしやすい
床矯正の装置は、自分で取り外しが可能です。食事の際には装置を外せるため、食べ物が装置に詰まる心配がなく、好きなものを食べることができます。また、歯磨きのときにも外すことができるため、通常どおりの歯磨きが可能であり、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
固定式の矯正装置では、歯磨きがしにくくプラークが溜まりやすいため、こうした点は床矯正の大きなメリットと言えるでしょう。
痛みが少ない
矯正治療では、歯を移動させる際に痛みを伴うことがあります。
しかし、床矯正は顎の成長を活かしながら少しずつ歯列を拡大するため、痛みが少ないとされています。特に、小さな子どもは痛みへの耐性が低いため、負担を抑えてあげたいと考える保護者の方は多いでしょう。
ただし、装置の調整後に一時的に違和感や圧迫感が生じることはあります。数日で慣れるケースがほとんどなので、装置の装着を促しながらサポートしてあげましょう。
矯正費用を抑えられる
床矯正ではシンプルな構造の装置を使用するため、費用負担が軽くなる傾向があります。加えて、早い段階で床矯正を行うことで、将来的に本格的な矯正治療が不要になる場合もあります。結果的に、総額の治療費を抑えることにつながる可能性もあります。
成長期の子どもでも無理なく続けられる
床矯正は、顎の骨がまだ成長途中で柔軟な時期の子供に実施します。この時期に治療することで、より自然に歯列を整えることが可能です。大人になってからの矯正治療では、骨の成長が完了しているため、大がかりな治療が必要になることがあります。
しかし、成長期の子どもであれば、顎の発育をコントロールしながら歯並びを整えることができるため、より自然な仕上がりが期待できます。特に、早めに治療を開始することで、将来的な矯正の負担を軽減できる点も大きな利点です。
床矯正のデメリット

床矯正には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。以下に、主なデメリットを解説します。
装着時間の自己管理が必要
床矯正の装置の装着時間は、1日12〜14時間が推奨されています。床矯正装置は取り外し可能であるため、患者さま自身が装着時間を管理する必要があります。
装着時間が不足すると計画通りに治療が進まず、治療期間が延びたり、効果が十分に得られない可能性があります。特に、小さな子どもの場合、自己管理が難しいケースが多いでしょう。保護者の方のサポートが不可欠な治療法といえます。
発音に影響することがある
装置を装着すると、口腔内に異物感が生じたり舌の動きが制限されたりするため、発音が不明瞭になることがあります。特に、装着初期には話しづらさを感じることが多く、学校生活やコミュニケーションに支障をきたす場合があります。
時間とともに慣れることが多いですが、装着を続けられるようサポートしてあげる必要があります。
適応症例に限りがある
床矯正は、歯列の拡大や軽度の歯並びの改善には効果的ですが、歯の大きな移動や細かな調整には向いていません。そのため、重度の不正咬合や複雑な歯列不正の場合、床矯正だけでは十分な効果が得られず、他の矯正方法との併用が必要になることがあります。
歯の位置調整は行えない
床矯正は、歯列を拡大することが目的です。歯列を拡大することで、歯が重なり合って生えた状態を改善したり、歯並びが乱れるのを予防したりします。
歯列の拡大と歯の位置調整を同時に行うことができない点は、デメリットと言えるでしょう。床矯正だけで理想の歯列にならないこともあるので、完璧に整った歯並びを目指したい場合は不向きかもしれません。
装置の破損・紛失リスク
取り外しが可能なため、装置の破損や紛失のリスクがあります。特に、小さな子どもの場合、装置の取り扱いに注意が必要です。紛失や破損が頻発すると、追加の費用や治療の遅延につながる可能性があります。
床矯正の対象年齢

床矯正は、成長期の子どもの顎の発育を利用して歯列を整える矯正方法です。適応年齢は一般的に4歳から12歳頃とされています。この時期は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期であり、顎の成長が活発なため、床矯正の効果が得られやすいとされています。
特に、5歳から7歳頃に治療を開始することで、顎の成長を効果的に促し、歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保しやすくなります。
ただし、適切な開始時期は、個々の成長や歯の発育状況によって異なります。そのため、早めに歯科医師に相談し、お子さまの状態に合った治療計画を立てることが重要です。
床矯正の費用

床矯正の費用は、治療内容や歯科医院によって異なりますが、一般的な相場としては総額で約30万~40万円とされています。 この費用には、以下の内容が含まれることが多いです。
- 初診相談
- 精密検査
- 装置の作製、装着
- 定期的な調整
- 保定装置の作製、装着
- 経過観察
床矯正は基本的に保険適用外の自費診療となりますが、特定の疾患や症状に起因する咬合異常の場合、保険が適用されるケースもあります。医療費控除の対象となる場合もあるので、詳細は歯科医師に相談してください。
また、床矯正の費用は、治療内容や地域、歯科医院によって異なります。治療を検討される際は、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、費用や治療方針を比較検討してみましょう。当院では、税抜44万円で提供しています。
まとめ

床矯正は、取り外し可能な装置を使用し、顎の成長を促しながら歯並びを整える矯正方法です。特に成長期の子どもに使用されることが多く、歯を抜かずに矯正できる可能性が高い点が大きなメリットです。
また、装置を外して食事や歯磨きができるため、口腔内の衛生管理がしやすく、虫歯や歯周病のリスクを抑えることができます。さらに、痛みが少なく費用も抑えられるため、経済的な負担が軽減される点も魅力の一つです。
一方で、装着時間を守らないと効果が十分に得られず、治療期間が長引く可能性があることがデメリットとして挙げられます。また、発音への影響や、重度の歯並びの問題には適さないケースもあります。
費用は総額で30万~40万円程度が一般的ですが、歯科医院によって異なるため、事前に相談することが大切です。
床矯正を検討されている方は、千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまの「悩み」「想い」をしっかり聞いて、質の高い治療を提供しています。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、予防歯科、審美歯科、インプラントなどさまざまな診療を行っています。