
困っている実感がなくても、
負担は少しずつたまります
歯医者で「過蓋咬合」と言われたけれど、自分では困っていない。そういう方がとても多い噛み合わせです。
上の前歯が下の前歯を深く覆う噛み合わせは、気づきにくいまま、歯ぐきやあごの関節に負担をためていきます。指摘された今のうちに、一度きちんと確かめておくと安心です。
治療前
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治療後
主なリスク:歯とあごのバランスによって歯を抜くことがある、まれに歯根吸収(歯の根が短くなる)、装置を付けた後の痛み、口内炎、歯ぐきが下がることがある、歯と歯ぐきの間に三角形のすき間ができることがある、後戻り(保定装置が必要)
上の前歯の裏に当たって痛かった
深い噛み合わせを、ワイヤー矯正で
下の前歯のガタガタもあり、噛むと上の前歯の裏の歯ぐきに当たって痛く、噛みづらい状態でした。奥歯の高さを上げ、前歯を歯ぐきの方へ押し込む計画を立てました。マウスピースでは奥歯を高くしにくい状態だったため、ワイヤー矯正を選んでいます。
お口の中を5方向から写した写真です。
「どの歯の高さを変えれば浅くなるかを、検査で確かめます」矯正専門医 菅崎 弘幸
過蓋咬合とは、上の前歯が下の前歯を深く覆う状態

上の前歯が下の前歯に深くかぶさる噛み合わせを、過蓋咬合(かがいこうごう)といいます。正常なかぶさりは、下の前歯の4分の1〜3分の1ほどです。
こんな様子はありませんか?
- 噛んだとき、下の前歯がほとんど見えない
- 上の前歯の裏の歯ぐきに、下の前歯が当たって痛い
- かぶせ物・ブリッジ・入れ歯が壊れやすい
- あごが疲れやすい、口を大きく開けにくいことがある

過蓋咬合は、骨格など生まれつきの原因のほか、口呼吸・指しゃぶり・舌のくせ、奥歯を早く失ったことなどが関わります。深く噛むくせは、静かに次のようなことを起こします。
- 歯ぐきを傷つける下の前歯が上の前歯の裏の歯ぐきに当たり続け、傷や炎症、まわりの骨が減る原因になることがあります。
- あごの関節に負担がかかる下あごが後ろに押さえ込まれ、あごの関節に負担がかかることがあります(顎関節症の原因のひとつと考えられています)。
- 歯やかぶせ物がすり減る・壊れる前歯どうしが強く当たり、すり減ったり、かぶせ物が欠けたりしやすくなります。
反対に、奥歯は噛んでいるのに前歯にすき間がある方は、開咬(かいこう)のページをご覧ください。
奥歯の高さと前歯の高さを整えて、かぶさりを浅くする

過蓋咬合の治療では、次の2つを組み合わせて、上下の前歯のかぶさりを浅くします。
- 前歯を歯ぐきの方へ押し込む(圧下)深くかぶさっている前歯を、少しずつ歯ぐきの方へ動かします。マウスピース矯正でも行える動きです。
- 奥歯の高さを上げる奥歯を少し伸ばすように動かし、噛み合わせの高さをつくります。この動きはワイヤー矯正の方が向いている場合があります。
どちらの動きがどれだけ必要かは、横顔のレントゲン(セファロ)とお口の3Dスキャンで確かめてから決めます。
矯正の検査・診断料 22,000円(税込)。検査と診断はセットです。無料の矯正相談はおこなっていません。
大人の過蓋咬合は、歯ぐきやあごの関節に負担がたまる前に気づくほど、選べる方法が多くなります。痛みが出てからでは選択肢が狭まることもあります。
治し方の選択肢
| 治し方 | 向いている過蓋咬合 | 気をつけること | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| マウスピース矯正インビザライン | 前歯を押し込む動きが中心の過蓋咬合 | 1日20〜22時間の装着が必要です | 1,045,000〜 1,210,000円(税込) |
| ワイヤー矯正表側・透明ブラケット | 奥歯の高さから大きく変える必要がある過蓋咬合 | 歯みがきがしにくく、むし歯に注意が必要です | 1,210,000〜 1,430,000円(税込) |
| お子さんの装置(1期)マウスピース型の装置など | 口呼吸や舌のくせ、下あごの成長が関わる、成長期の過蓋咬合 | 毎日の使用が必要です。成長によっては2期治療が必要になります | 前半 132,000〜 198,000円(税込)、 後半 605,000〜 858,000円(税込) |
金額は基本装置料の目安です。骨格のずれが大きい場合は、外科的な治療をご提案することもあります。長所と短所を並べてご説明し、決めるのはいつもご本人です。
過蓋咬合の矯正にかかる費用の目安
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 矯正の検査・診断料 | 22,000円(税込) | CT・3Dスキャンを含む検査と診断のセット |
| お子さんの矯正 1期 前半 | 132,000〜198,000円(税込) | プレオルソ・T4K |
| お子さんの矯正 1期 後半 | 605,000〜858,000円(税込) | インビザライン・ファースト/10代向けインビザライン |
| 大人の矯正 インビザライン(全体) | 1,045,000〜1,210,000円(税込) | 基本装置料 |
| ワイヤー矯正(表側・透明ブラケット) | 1,210,000〜1,430,000円(税込) | 基本装置料 |
| 診察調整料 | 5,500円(税込)/来院1回 | 基本装置料とは別。毎回の診察時にお支払い |
| 保定装置(リテーナー) | 38,500円(税込)/片あご | 動かす治療が終わった後に別途 |
金額は目安です。歯並びの状態・装置・治療期間によって変わります。
過蓋咬合について、よくあるご質問
痛みがなくても、治したほうがいいですか?
痛みがなくても、歯ぐきの傷やあごの関節への負担が、少しずつたまっていくことがあります。痛みが出てからでは選択肢が狭まることもあるため、指摘されたら一度検査で確かめておくと安心です。治すかどうかは、検査の結果を見てご本人が決めます。
マウスピース矯正で治せますか?
前歯を押し込む動きが中心の過蓋咬合は、マウスピース矯正で治せることがあります。奥歯の高さを大きく変える必要がある場合は、ワイヤー矯正をおすすめすることもあります。
大人になってからでも治せますか?
年齢で諦める必要はありません。歯ぐきや骨の状態を確認したうえで、無理のない範囲で最善の方法を一緒に決めます。歯が動く範囲には個人差があります。
あごが痛いのは、過蓋咬合のせいですか?
あごの痛みには、噛み合わせのほか、歯ぎしり・くいしばり・姿勢などいろいろな原因があります。過蓋咬合が関わっているかどうかも含めて、検査でお伝えします。
子どもの過蓋咬合は、何歳ごろに相談すればいいですか?
前歯が生えかわる小学校低学年ごろは、あごの成長を利用できる時期です。今すぐ始めたほうがいいか、もう少し待ったほうがいいかも含めてお伝えします。











