
削る前に、
自分の歯で閉じるという
選択肢を
歯を抜いたあとのすき間や、生まれつき歯が足りないところ。
「入れ歯かブリッジかインプラント」と言われた方でも、まわりの歯を動かして、すき間そのものを閉じられることがあります。
治療前
▶
治療後
主なリスク:下の「治療例」に書いています
ブリッジにもインプラントにも
せずに、すき間を閉じた症例
歯を抜いたあと、ほかの医院で「入れ歯が嫌なら、ブリッジかインプラント」と言われていた方です。CTで調べると、インプラントはとても難しく、ブリッジでは両隣の健康な歯を大きく削る必要がありました。
まだ20代前半。年をとっても手入れしやすいのは、すべて自分の歯であること。そう考えて、矯正ですき間を閉じる方法を選ばれました。
「歯を足すのではなく、今ある歯を並べ直して噛めるようにする方法です」矯正担当医 菅崎 弘幸
こんな方に、知っていただきたい方法です

歯がないところを治す方法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントだけではありません。まわりの歯を矯正で少しずつ動かして、すき間そのものを閉じる方法もあります。
こんなことはありませんか?
- 歯を抜いたあと、「入れ歯・ブリッジ・インプラントのどれか」と言われた
- ブリッジのために、健康な両隣の歯を削りたくない
- インプラントの手術に抵抗がある、骨が足りないと言われた
- 生まれつき歯の数が足りない(先天性欠如)と言われた
- 大人になっても乳歯が残っていて、その下に永久歯がない
- すき間があるせいで、まわりの歯が傾いてきた・歯並びも気になる

歯がないところをそのままにしておくと、少しずつ次のようなことが起こりやすくなります。
- まわりの歯が傾いてくるすき間に向かって両隣の歯が倒れ込み、噛み合う歯が伸びてくることがあります。
- 汚れがたまり、むし歯・歯周病になりやすい傾いた歯のまわりは磨きにくく、ほかの歯まで失う原因になります。
- あごの骨がやせていく歯がないところの骨は、時間がたつと細く低くなっていきます。骨がやせると、矯正で歯を動かすのも、インプラントを入れるのも難しくなることがあります。
「いずれ何かで埋めなければ」と思っている方は、方法を決める前に一度、矯正で閉じられるかを確かめてみてください。
歯がないところの治し方は、4つあります
| 治し方 | どうやって治すか | ほかの歯を削るか | 手術 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 入れ歯部分入れ歯 | 取り外せる人工の歯を、まわりの歯に金具でかけて支える | ほとんど削らない(金具をかける歯に負担がかかる) | いらない | 取り外して洗う手間がかかる。噛む力・見た目・違和感が気になることがある |
| ブリッジ | 両隣の歯を削って土台にし、橋のようにつながった人工の歯をかぶせる | 両隣の歯を大きく削る。神経を取ることもある | いらない | 土台にした歯に負担がかかり、その歯の寿命が短くなることがある |
| インプラント | あごの骨に人工の歯の根を埋め込み、その上に歯をかぶせる | 削らない | 必要 | 骨の量や全身の状態によってはできない。定期的な手入れが欠かせない |
| 矯正で閉じるこのページの方法 | まわりの歯を少しずつ動かして、すき間そのものを閉じる | 削らない(形を整えるために少し削ることはある) | 基本はいらない(埋まった歯を引き出すときなどは、小さな処置がある) | 治療に1〜2年ほどかかる。すき間の大きさや骨の状態によっては閉じられない |
どの方法にもよいところと気をつけるところがあります。矯正をおすすめするためではなく、4つを並べてご説明し、決めるのはいつもご本人です。
矯正で閉じる、よいところと気をつけるところ
Meritよいところ
- 健康な歯を削らずにすむ
- ブリッジのように、両隣の歯を削って土台にする必要がありません。
- 人工の歯が増えない
- すべて自分の歯で噛めるので、年をとってからも手入れがしやすく、作り直しの心配もありません。
- 手術をしなくてよいことが多い
- インプラントのように骨に人工の根を埋める手術は、基本的にいりません。
- 歯並び・噛み合わせも一緒に整う
- 傾いた歯を起こし、全体の噛み合わせを整えながら閉じていきます。
Demerit気をつけるところ
- 時間がかかる
- 歯を少しずつ動かすので、1〜2年ほどかかります。動かす距離が長いほど期間はのびます。
- だれでも閉じられるわけではない
- すき間が大きい、骨がやせている、歯ぐきが下がっているなどの場合は、閉じられないことがあります。
- 装置をつける期間がある
- ワイヤーやマウスピースの装置をつけている間は、歯みがきに手間がかかります。
- 閉じたあとも保定が必要
- 動かした歯は元に戻ろうとするので、終わったあとも保定装置(リテーナー)を使います。
生まれつき歯が足りない場合は、すき間を閉じるだけでなく、「乳歯をできるだけ長く使う」「すき間を保っておいて、大人になってからブリッジやインプラントにする」という選び方もあります。お子さんの成長や、左右どちらに足りないかによっても変わるので、見通しを並べて一緒に決めます。
閉じられるかどうかは、検査で決まります

矯正ですき間を閉じられるかは、見た目だけでは分かりません。当院では、CT・お口の3Dスキャン・横顔のレントゲン(セファロ)で、次のようなことを確かめてから計画を立てます。
- あごの骨の幅と高さ歯を動かす先に、十分な骨があるか。骨がやせていると、歯を動かせる距離が限られます。
- すき間の大きさと、まわりの歯の傾きどの歯を、どちらへ、どれだけ動かすか。奥歯を前へ動かすのか、前歯を寄せるのかを決めます。
- 全体の噛み合わせすき間を閉じたあとも、上下がきちんと噛み合うか。必要なら、反対側や下の歯も一緒に整えます。
- 埋まっている歯・小さい歯歯ぐきの中に埋まっている歯や、形が小さい歯がないか。埋まっている歯は、引き出して並べられることもあります。
歯を動かしたい方向によっては、歯科矯正用アンカースクリュー(あごの骨に入れる小さなネジ)を支えにして、ほかの歯を動かさずに目的の歯だけを動かすこともあります。
矯正の検査・診断料 22,000円(税込)。検査と診断はセットです。無料の矯正相談はおこなっていません。
歯がないところを矯正で治した例
お口の中を5方向から写した写真です。費用は治療当時の総額(税込)で、今の費用とは異なります。
抜いたあとのすき間を、ブリッジにせず矯正で閉じたKさん/20代前半 女性
治療前
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治療後
治療期間 1年6か月(来院20回)/費用 985,600円(治療当時の総額・税込。今の費用とは異なります)
生まれつきない前歯と、埋まっていた犬歯Iさん/30代 女性
治療前
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治療後
治療期間 2年(来院30回)/費用 1,188,000円(セラミック治療を含む。治療当時の総額・税込。今の費用とは異なります)
2つの症例に共通する主なリスク・副作用:歯とあごのバランスによっては、ご自身の歯を抜くことがあります。まれに歯の根が短くなることがあります。装置を付けた後に痛みを感じることがあります(歯が動くときの正常な反応です)。頬の粘膜・唇・舌に口内炎ができることがあります。歯周病などで歯ぐきが下がっている方は、歯を動かすことでさらに歯ぐきが下がることがあります。歯と歯ぐきの間に三角形のすき間ができることがあります。すき間を閉じる距離が長いと、治療期間がのびることがあります。保定装置を使わないと後戻りすることがあります。装置のまわりの磨き残しで、むし歯・歯周病になることがあります。
埋まった歯を引き出す処置(Iさん):処置のあとに痛み・腫れ・出血が出ることがあります。歯の根の状態によっては、予定の位置まで引き出せないことがあります。セラミック(Iさん):強い力がかかると、割れたり欠けたりすることがあります。
「インプラントしかない」と言われた方へ

ほかの医院で「入れ歯かブリッジかインプラント」「この歯は抜くしかない」と言われた方も、方法を決める前にご相談ください。矯正で閉じられるか、埋まっている歯を引き出して使えるかを、矯正の目で確かめます。
レントゲンやCTのデータをお持ちいただければ、それも一緒に拝見します。
そのうえで、矯正よりもブリッジやインプラントのほうが向いていると判断したときは、そうはっきりお伝えします。矯正をすすめるためではなく、選べる方法を並べるための相談です。
矯正ですき間を閉じる費用の目安
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 矯正の検査・診断料 | 22,000円(税込) | CT・3Dスキャンを含む検査と診断のセット |
| 大人の矯正 インビザライン(全体) | 1,045,000〜1,210,000円(税込) | 基本装置料 |
| ワイヤー矯正(表側・透明ブラケット) | 1,210,000〜1,430,000円(税込) | 基本装置料 |
| 部分矯正(インビザライン Go・Lite) | 605,000〜858,000円(税込) | 基本装置料 |
| 診察調整料 | 5,500円(税込)/来院1回 | 基本装置料とは別。毎回の診察時にお支払い |
| 保定装置(リテーナー) | 38,500円(税込)/片あご | 動かす治療が終わった後に別途 |
金額は目安です。歯並びの状態・装置・治療期間によって変わります。抜歯・埋まった歯を引き出す処置・アンカースクリュー・セラミックなどが必要な場合は、別途費用がかかります。検査のあと、総額の見通しをお伝えしてから始めます。
歯がないところの矯正について、よくあるご質問
どんなすき間でも、矯正で閉じられますか?
すべてではありません。すき間の大きさ、あごの骨の幅と高さ、歯ぐきの状態、全体の噛み合わせによって決まります。CTなどの検査で確かめ、閉じられない場合や、ほかの方法のほうが向いている場合は、そうお伝えします。
歯を抜いてから時間がたっていても、閉じられますか?
閉じられることもありますが、時間がたつほど、歯がないところの骨がやせて、歯を動かしにくくなることがあります。抜いたあと、どうするか迷っている方は、早めにご相談ください。
大人でも、すき間を閉じられますか?
年齢だけで決まるものではありません。このページの2つの症例も、20代と30代の方です。骨や歯ぐきの状態を確かめてから、閉じられるかをご説明します。
マウスピース矯正でも閉じられますか?
すき間の大きさや、歯を動かす距離によって変わります。大きく動かす場合は、ワイヤー矯正やアンカースクリューを組み合わせることがあります。検査の結果を見て、向いている方法をご説明します。
子どもに生まれつき足りない歯があると言われました。いつ相談すればいいですか?
永久歯に生えかわる小学生のころ、レントゲンで分かることが多いです。乳歯をどのくらい使えるか、すき間を閉じるか保っておくかは、成長の見通しによって変わるので、分かった時点で一度ご相談ください。
閉じたすき間が、また開くことはありますか?
動かした歯は元の位置に戻ろうとするため、保定装置(リテーナー)を使わないと、すき間が開いてくることがあります。治療が終わったあとも、保定装置の使い方と定期的なチェックで、閉じた状態を保ちます。












