
治療した歯ほど、
また虫歯になりやすい
「虫歯を治して、銀歯などの詰め物やかぶせ物をしたのに、また虫歯になってしまった…」そんな経験をされた方は、決して少なくありません。
実は、一度虫歯の治療をした歯は、虫歯がまたできやすいのです。特に歯と歯の間はお手入れが届きにくく、虫歯がまたできやすい場所です。
あい歯科では、くり返しを止めるために、金属を使わない治療(メタルフリー)をおすすめしています。もちろん、保険の銀歯を選ぶこともできます。
銀歯をセラミックに
やりかえた症例
治療前治療後
取れた奥歯と、古い銀歯50代女性/セラミックのブリッジ+ホームホワイトニング
「取れた歯を治したい。娘の結婚式までに間に合わせたい」とご相談いただきました。右下の前から5番目の歯は根が割れていて、抜歯が必要な状態でした。その後ろの歯には古い金属のかぶせ物、手前の歯には黄ばんだ保険の白いかぶせ物が入っていました。抜歯のあと、前後の歯を支えにして、強さと見た目をかね備えたセラミックのブリッジを入れました。あわせてホームホワイトニングで歯全体の色を明るくし、色を測る機械(Shade Eye)で色を合わせて、技工所で作っています。
- 治療内容
- 抜歯/セラミックのブリッジ(3本分)/ホームホワイトニング(自由診療)
- 治療期間
- 3か月(通院10回)
- 費用
- 368,500〜434,500円(税込)
今の料金で同じ治療を受けた場合の目安です(ブリッジ 3本分 330,000〜396,000円+ホームホワイトニング 38,500円) - 主なリスク
- かむ力や歯ぎしりが強いと、割れたり欠けたりすることがある/土台の歯を削る必要がある/歯の状態により、神経の治療が必要になることがある/治療中に出血することがある/ホワイトニング中に歯がしみることがある/白くなり方には個人差がある
- 担当医
- 院長 遠山 大輔
仕上がりや持ちには個人差があります。長く良い状態を保つには、定期的な検診とクリーニングが必要です。
治療をくり返すと、
歯は少しずつ小さくなります
「何回でも治療をくり返せばいい」と思われるかもしれません。けれど、「同じ歯を治療できるのは、平均して5回くらいまで」と言われることがあります。もちろん、5回で必ず抜歯になるわけではありません。ただ、治療をやり直すたびに歯は削られて小さくなり、いつかは残せなくなります。次の絵は、抜歯に至るまでのよくある流れです。

1回目
歯の溝が虫歯になり、歯の色の樹脂(プラスチック)を詰めます。この段階では、比較的小さな治療で済みます。

2回目
虫歯がまた進んで、銀歯を入れることになります。

3回目
銀歯が外れるころには、その下が虫歯になっていて、より大きな銀歯を入れることに。削る量も増えていきます。

4回目
ズキズキ痛むので神経を取り、銀歯のかぶせ物を入れます。この段階になると、歯の強さは大きく下がります。

5回目
銀歯の内側で虫歯になり、もう一度かぶせ物をします。残っている歯は、わずかです。

抜歯
少しずつ銀歯が大きくなり、最後は抜歯になってしまいます。もう残すことは難しい状態です。
一度治療した歯は、虫歯がまたできやすくなります。そして虫歯をくり返すと、ご自身の歯が少なくなり、やがて抜歯に至ります。虫歯をくり返すことは、歯の寿命を縮めることにつながります。
なぜ、同じ歯が
また虫歯になるの?

虫歯がまたできるのは、歯みがきのしかたや食事の内容など、いろいろなことが重なって起こります。
中でも、あまり知られていないのが「銀歯の性質」も、虫歯のくり返しに深くかかわっているということです。
銀歯は年月とともに傷んで、歯とのあいだに目に見えないほどのすき間ができやすく、そこから細菌が入り込んで、虫歯がまたできることが少なくありません。
保険の銀歯は、正しくは「金銀パラジウム合金」という金属です。銀が50%前後、パラジウムが20%、銅が15%前後、金が12%ほどの合金で、かむ力に耐える強さがある一方、次のような性質があります。

さびる
銀が半分ほど含まれているため、長く使っていると、さびることがあります。特に、歯みがきのしにくい歯と歯の間がさびやすく、さびると接着剤が溶けて、すき間ができてしまいます。

かむ力で、ゆがむ
銀歯はかたいものの、毎日かむ力がかかり続けることで、知らないうちに少しずつたわみ、歯とのあいだにすき間ができてしまいます。

境目から、虫歯に
できたすき間には、歯ブラシやフロスでは取りきれない細菌が残ります。そこから細菌が増え、銀歯の内側で虫歯が進んでいきます(二次う蝕)。外からは見えにくいのが困ったところです。

銀歯は、どれくらいもつの?
詰め物やかぶせ物の材料によって、使える年数は違います。一般的に、歯の色の樹脂(プラスチック)の詰め物は約5年、小さい銀歯の詰め物は約6年、銀歯のかぶせ物でも約8年と言われています。
見た目には問題がないようでも、銀歯の内側で虫歯が進んでいることも少なくありません。
金属アレルギーと、
「アマルガム」のこと

お口の中の金属は、長い年月のあいだに、だ液などでごくわずかに溶け出すことがあります。まれに、それが金属アレルギーの原因になることがあると考えられています。
金属アレルギーは原因を突き止めるのが難しく、口内炎や、舌・歯ぐきの炎症、皮膚の湿疹などとしてあらわれることがあります。
セラミックやジルコニア、歯の色の樹脂(ダイレクトボンディング)は金属を使わないので、金属アレルギーの心配がありません。
以前の銀色の詰め物「アマルガム」について
昔の銀色の詰め物には、「アマルガム」という水銀を含む材料が使われていたものがあります(今の保険の銀歯「金銀パラジウム合金」とは別の金属です)。
海外では、アマルガムの使用を控える動きが進んできました。カナダ保健省は1996年に、子どもの乳歯には水銀を含まない材料を考えること、妊娠中の方には、できればアマルガムを入れたり外したりしないことを勧めています。ヨーロッパ(EU)では、2018年7月から乳歯・15歳未満の子ども・妊娠中や授乳中の方への使用が原則禁止になり、2025年1月からは、すべての方への使用が原則禁止になりました。
ただし、割れたりすき間ができたりしていないアマルガムを、急いで外す必要はないとされています(外すときに、かえって水銀の蒸気が出るためです)。古い銀色の詰め物が気になる方は、まずはご相談ください。状態を見て、外すかどうかを一緒に考えます。
出典:Health Canada「The Safety of Dental Amalgam」(1996年)/欧州連合 規則 (EU) 2017/852 第10条(水銀に関する規則)/欧州連合 規則 (EU) 2024/1849(同規則の改正)
新しい虫歯を
減らすための3つのこと
虫歯を完全に防ぐ方法は、残念ながらありません。けれど、新しい虫歯を作らないためのポイントが3つあります。

歯と歯の間のお手入れ
歯と歯の間は、ふつうの歯ブラシでは届きにくく、虫歯になりやすい場所です。歯間ブラシやデンタルフロスで、ていねいにお手入れしましょう。


当院は、金属を使わない治療を
おすすめしています

あい歯科では、詰め物にもかぶせ物にも金属を使わない「メタルフリー」の治療をおすすめしています。金属アレルギーのおそれや、虫歯をくり返して最後には抜歯せざるを得なくなる、ということを防ぐためです。
金属を使わない治療には、歯をほとんど削らずに歯の色の樹脂を盛り足す「ダイレクトボンディング」と、詰め物・かぶせ物を作る「セラミック・ジルコニア」があります。小さな範囲ならダイレクトボンディング、大きな範囲や強い力がかかる場所ならセラミック、というのが目安です。
保険の銀歯も選べます。それぞれの長所と短所、費用をお伝えして、あなたの歯の状態とご希望に合わせて一緒に選びます。
| 方法 | よいところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 銀歯保険診療 | 費用が抑えられる/かむ力に耐える強さがある | 見た目が目立つ/年月とともに境目から虫歯がまたできやすい/金属アレルギーのおそれ |
| ダイレクトボンディング自由診療 | 健康な歯をほとんど削らない/その日のうちに仕上がることが多い/部分的にやり直せる | 強い力がかかる場所・広い範囲には向かない/年月とともにわずかに変色・すり減ることがある |
| セラミック・ジルコニア自由診療 | 見た目が自然で、色が変わりにくい/汚れがつきにくい/金属アレルギーの心配がない | 土台の歯を削ってかぶせる必要がある/費用が高め |
ダイレクトボンディング(自費)は小さな奥歯で1本 66,000〜88,000円、セラミックの詰め物は1本 88,000〜110,000円、かぶせ物は1本 110,000〜132,000円(いずれも税込)です。くわしくは、それぞれのページをご覧ください。
担当する歯科医師
院長遠山 大輔
東北大学歯学部卒。日本小児矯正研究会・日本接着歯学会 会員。子どもの矯正と、歯をなるべく削らないダイレクトボンディングが得意で、生まれつき小さい歯や歯がないところを整えながらの矯正も担当します。ダイレクトボンディングは、田代浩史 臨床教授(東京科学大学・徳島大学)が主宰し、田上順次 名誉教授(東京科学大学)も講師を務める「DRC浜松」のアドバンスコースを修了しています。
院長プロフィール金属を使わない治療の
主なリスク
- ダイレクトボンディングの主なリスク・副作用
- 保険がきかない自費の治療です。天然の歯より着色しやすく、年月とともに変色・すり減りが出ることがあります。強いかみ合わせや歯ぎしりで欠けたり外れたりすることがあります(その場合は修理が必要です)。範囲が広い場合や強い力がかかる場所には向かないことがあります。
- セラミック・ジルコニアの主なリスク・副作用
- 保険がきかない自費の治療です。土台になるご自身の歯を削る必要があります(削る量は材質や歯の状態によります)。歯の状態によっては、神経の治療が必要になることがあります。治療のときに出血することがあります。強い力がかかったときや、かみ合わせ・歯ぎしりが強い方は、割れたり欠けたりすることがあります。お口のお手入れが足りないと、境目から虫歯や歯周病になることがあります。
銀歯・詰め物のやり直しについて、
よくあるご質問
今入っている銀歯を、白くやりかえられますか?
多くの場合、銀歯を外して、ダイレクトボンディングやセラミックで白くやりかえられます。銀歯の下の状態(虫歯があるか・残っている歯の量)によって向いている方法が変わるので、検査のうえでご提案します。
銀歯は、全部外したほうがいいですか?
見た目やすき間に問題がない銀歯を、急いで全部外す必要はありません。気になる歯や、虫歯がまたできている歯から、順番に相談して決めていきます。
保険の銀歯で治療してもらうこともできますか?
はい、できます。保険の銀歯・自費のダイレクトボンディング・セラミックの長所と短所、費用をお伝えしたうえで、選んでいただきます。
セラミックにすれば、もう虫歯にならないですか?
セラミックは汚れがつきにくく、境目からの虫歯がまたできにくい材料ですが、虫歯にならないわけではありません。毎日のお手入れと、定期的な検診・クリーニングを続けることが大切です。
金属アレルギーかどうか、分かりますか?
金属アレルギーかどうかを調べる検査(パッチテスト)は、皮膚科でおこなわれています。心配な方は、皮膚科で調べたうえでご相談いただくと、材料を選びやすくなります。

















