当院の歯周病治療は、悪化した状態でもできるだけ抜歯を避けて歯を残し、どうすれば二度と再発しないかを最優先に考えながら治療しています。
「覆水盆に返らず」ということわざの通り、抜けた歯は二度と生えてきません。そして、そういう事態に直面した多くの方が「歯をなくして初めてその大切さに気がついた」とおっしゃいます。
歯を守るには歯医者の努力だけでは不十分であり、患者さんのご協力、つまり「ご自宅でのケア」が必要です。
生涯ご自身の歯で食事を楽しみたい方、二度と同じ治療をしたくないとお考えの方はご相談ください。健康なお口を末永く維持するために、私たちはこれからも患者さんと一緒に歩んでいく所存です。
歯周病はなかなか治らないと思っている患者さんは少なくないかもしれません。実際、ずっと歯医者に通っているものの、一向に歯周病が改善しない方もいると耳にします。
歯周病に対して上記のような印象を持たれたり、実際に治療の経過が良いとは言えなかったりするのは、根本的な原因である「歯周病菌」に対し、しっかりアプローチできていないケースが多いためです。
症状が中等度~重度の場合、残念ながら歯周病の基本治療である「歯石除去」のみでは根本的な解決に至りません。歯周病の症状を改善し、さらに再発も防ぐには、歯周病菌を徹底的に排除する必要があるのです。
当院では歯周病菌への効果的なアプローチの手段として、山形県酒田市にある日吉歯科診療所のシステム「MTM(メディカルトリートメントモデル)」を採用しています。日吉歯科診療所は、予防歯科の世界的な権威である熊谷 崇先生が運営する歯科医院です。熊谷 崇先生は、日本の予防歯科の第一人者としてNHK「プロフェッショナル」やテレビ東京「カンブリア宮殿」に出演されました。現在もご活躍中で、世界的にも有名な歯科医師です。
MTMは予防中心の質の高い診療を目的としたシステムで、予防先進国スウェーデンの歯科医療がモデルとなっています。より予防歯科に注力したいとの思いから、私たちは2015年の医院移転を機にこのシステムを導入しました。
MTMという予防を軸とした診療システムにより、歯周病治療と予防歯科の両面から改善・予防に取り組み、健康な歯とお口をサポートしてまいります。「歯周病で歯を失いたくない…」「歯周病を改善したい!」とお考えの方は、ぜひ当院を受診ください。
MTMにおける歯周病治療では、検査結果に基づいた根拠のある治療の提供が重要だと提唱されています。そのため私たちは、治療の前に丁寧な歯周病検査を行っています。
当院はMTMの理念にのっとり、歯周病だからといってやみくもに歯石除去などの処置はいたしません。検査結果をもとに治療計画を立案し、患者さんにも治療の内容や流れをご理解いただいた上で治療を進めます。
治療の方向性にズレがでないよう、治療の際はまず入念な診査診断からスタートします。
従来からあるレントゲン検査・歯周ポケット検査や生活習慣の問診を実施。歯周病の原因となっている細菌に対して、より効果的なアプローチを徹底するために、さらに細菌検査・唾液検査・CT検査・遺伝子PCR検査などを必要に応じて行います。
これらの検査結果を踏まえ、患者さん一人ひとりの状況やご希望に沿った治療計画を立てるという流れです。
位相差顕微鏡(いそうさけんびきょう)という特殊な顕微鏡を使用し、歯周病の原因菌の存在を調べます。この検査で、お口の中の細菌の量・種類・活動性もあわせて確認します。
唾液検査ではお口の中の細菌、とりわけ悪玉菌の量・バランス・プラーク(歯垢)内の細菌の総量などを検査します。この結果で、歯周病・むし歯リスクの程度を簡易的に把握が可能。歯を守るための一歩進んだ治療が実現します。
※唾液検査は自費診療です。
歯周病菌に感染すると、歯を支える骨が徐々に溶けてしまうため、当院の歯周病治療では必要に応じて歯科用CT検査を実施しています。骨の状態を3次元的に映し出し、歯周病の進行度合いを調べられるのが歯科用CTの強みです。
遺伝子PCR検査とは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いた遺伝子学的な診断です。歯周病菌を遺伝子レベルで検査することで、位相差顕微鏡検査だけでは発見できない多くの原因菌を確認できます。
歯周病になりやすい糖尿病の患者さんや妊娠・出産予定の方、インプラント治療を受けている方には特におすすめの検査です。検査自体は短時間ですので、お体への負担はほとんどありません。
※遺伝子PCR検査は自費診療です。
歯周病の原因は、歯や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)に付着している歯石、プラーク(歯垢)といった汚れに含まれる細菌です。そのため歯周病治療においては、歯石・プラークの除去が重要です。
前述の通り、私たちは診査・診断をじっくり行った上で、その方に合った歯周病の治療計画を立案しています。とりあえず歯石をとるだけのような処置はいたしません。
当院で歯周病治療やケアを担当するのは、経験15年以上(※)のベテランを筆頭とする歯科衛生士たちです。院内研修などを通して皆が技術の向上に励んでいるからこそ、歯周ポケットの中の歯石まで徹底的に除去できる技量を有しています。そして、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせたオーダーメイドの治療も可能です。
なお「歯石やプラークの除去は痛い」というイメージをお持ちの方も多いですが、麻酔の使用などで痛みにも配慮しています。痛いまま我慢させるようなことはいたしませんので、ご安心いただけることと思います。
歯周病治療には、患者さん自身にご自宅で行っていただくセルフケアが不可欠です。歯医者の治療と患者さんの協力があってこそ、歯周病は改善へと向かいます。
セルフケアのサポートとして、ご家庭での歯みがき方法について担当の衛生士がわかりやすく丁寧にお伝えします。
患者さんのお口や症状に合った歯ブラシや、みがきにくいところをキレイにする清掃用具もご提案。もちろんそれらの使用方法も親身にご説明するため、ストレスなくご自宅でのケアに取り組んでいただきやすいでしょう。どんなに小さなことでも構いませんので、ご不明点があればお聞かせください。
歯周病が悪化すると、基本的な歯周病治療だけで改善するのは難しくなります。そこで場合によっては「歯周外科治療」や「骨再生療法」に移行します。
しかし、これらの処置は歯科医師なら誰もが可能という治療ではありません。歯科医師の中でも歯周病を専門に学び、数多くの実績を積んだ人間のみが手がけられる難易度の高い治療です。
その点、歯周病治療に長年携わり、歯周外科治療の経験が豊富にある当院の院長なら、重症化した歯周病の治療にも対応できます。より安心して患者さんに治療を受けていただけるよう、院長と一緒に処置を行う歯科衛生士も、経験15年以上(※)のベテランです。
歯周病治療で通院を続けていても思うように改善しない方、抜歯が必要と診断された方も気軽にご相談ください。
※2023年現在
歯周病が重度になると、通常の治療器具ではとり除けないくらい深いところに歯石が溜まっているケースがあります。
そのような場合に採用するのが、歯周外科治療の一つでフラップ手術とも呼ばれているFOP(フラップ・オペレーション)法です。局所麻酔をした後、専用の器具で深部の歯石を除去します。術後は歯周ポケットが浅くなり、プラークも溜まりにくくなるメリットがあります。
歯を支えている歯ぐきやあごの骨などの組織(歯周組織)が溶けてしまった場合は、「歯周組織再生療法(ししゅうそしきさいせいりょうほう)」が可能です。
歯周組織再生療法はその名の通り、失われた歯周組織を再生する治療法です。当院では「エムドゲイン」という薬剤を用いた再生療法を実施。さらに、GTR膜という人工膜を使って組織の再生を促す「歯周組織再生誘導法(ししゅうそしきさいせいゆうどうほう/GTR法)」と呼ばれる治療をご提供しています。
唾液中に含まれる歯周病やむし歯の原因菌の数や種類を調べる検査です。検査結果により、歯周歯の原因やリスクがわかります。
唾液検査 | 4,400円 |
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治療の期間・回数:1回
リスクや副作用:検査前は食事・喫煙・歯みがきを控えていただく必要があります。検査前は運動を控えていただく必要があります。検査中に咀嚼の刺激で出血する可能性があります。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いた検査方法で測定する遺伝子学的な診断です。歯周病菌を遺伝子レベルで検査するため、位相差顕微鏡検査だけでは確認できない原因菌をより多く確認できます。検査自体は短時間でお身体への負担はほぼありません。
遺伝子PCR検査 | 9,900~13,200円 |
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※調べる内容の種類数によって料金が異なります
治療の期間・回数:1回
リスクや副作用:検査前は食事・喫煙・歯みがきを控えていただく必要があります。
歯ぐきを切開し、歯の根の表面に付着した歯垢や歯石を除去する外科処置です。歯ぐきの奥まで直接目視で確認して歯石除去を行います。
FOP(歯肉剥離掻爬手術) | 40,000~120,000円 |
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※治療する歯の本数によって料金が異なります
治療の期間・回数:1~4か月、4~16回
リスクや副作用:治療後に歯がしみる可能性があります。手術後に、痛みや腫れ、出血を引き起こす可能性があります。歯ぐきが少し下がってみえる可能性があります。
重度の歯周病によって破壊された歯周組織をエムドゲイン・ゲルという薬剤を使用して、再生させる治療法です。
エムドゲイン法(歯周組織再生療法) | 60,000~120,000円 |
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※治療する歯の本数によって料金が異なります
治療の期間・回数:3~6か月、4~16回
リスクや副作用:完全に組織が元通りになるわけではありません。組織が再生するまで数か月かかります(期間は個人差があります)。手術後に、痛みや腫れ、出血を引き起こす可能性があります。喫煙している方は期待通りの効果を得られない場合があります。
重度の歯周病によって破壊された歯周組織をメンブレンと呼ばれる人工膜を使用して、再生させる治療法です。
GTR法(歯周組織再生誘導法) | 60,000~120,000円 |
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※治療する歯の本数によって料金が異なります
治療の期間・回数:3~6か月、4~16回
リスクや副作用:完全に組織が元通りになるわけではありません。組織が再生するまで約4~6週間かかります。健康な状態になるには約数か月~1年かかります(期間は個人差があります)。(非吸収性メンブレンの場合)約1~2か月後に膜(メンブレン)を取り除くための手術をもう一度受ける必要があります。手術後に、痛みや腫れ、出血を引き起こす可能性があります。喫煙している方は期待通りの効果を得られない場合があります。
※金額は税込み表記です。
検査器具やレントゲンで、歯周病の進行度合いを調べます。
歯周病がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
歯周病の原因となる歯石やプラーク(歯垢)を、専用の器具を使って取り除きます。
効果の高い歯みがきの方法をお教えします。
歯周病を再発させないために、定期検診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ─ | ○ | ○ | ○ | ○ | ▲ | ─ |
午後 | ─ | ○ | ○ | ○ | ○ | ▲ | ─ |
午前:10:30~12:00
午後:12:00~18:00
▲:9:30~13:00/14:00~18:00
※急患の当日受付可能
休診日:日曜・月曜・祝日