
こんにちは。千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」です。
急速拡大装置は、子どもの上顎の幅を広げるための矯正装置です。歯科医師からお子さまの治療を勧められ「どのような装置なの?」「痛みはある?」などの疑問を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、急速拡大装置とはどのような治療なのかを解説します。治療するメリットや費用についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
急速拡大装置とは

急速拡大装置とは、上顎の骨を左右に広げる矯正装置です。成長期の子どもの上顎を広げ、歯が並ぶスペースを確保するために使用します。
顎が小さい場合、歯が並びきらなくなり、歯並びが乱れやすくなります。マウスピース矯正やワイヤー矯正は、歯を移動させて歯並びを整えますが、顎の骨自体を動かすことはできません。そのため、歯列矯正の前段階として急速拡大装置によって顎を広げる場合があります。
また、すぐに歯列矯正を行わない場合でも、顎の骨にアプローチして成長を促し、将来的な矯正治療を不要にしたり、治療の負担を軽減させたりする効果が期待できます。
急速拡大装置のしくみ
上顎の中央には、骨のつなぎ目があります。成長期の子どもは骨がやわらかいため、力を加えると骨のつなぎ目が広がり、すき間に新しい骨が作られることで上顎の幅が広がるのです。
年を重ねると骨が硬くなるため、効果を得るまでに時間がかかります。将来的な歯並びの乱れを防ぐためにも、永久歯が生えそろう前の6〜12歳頃の子どもに対して行われることが多いです。
装置をつけ始めて数日間は「喋りにくい」「ご飯を食べるときに違和感がある」などと訴えることが多いです。1週間程度で慣れてきますので、様子を見てあげてください。
床矯正との違い
床矯正との違いは、骨格そのものを広げられる点です。床矯正では、歯の内側から力をかけて歯列のアーチを広げますが、骨格自体を変化させることはできません。
また、治療期間にも違いがあります。床矯正の場合は1〜2年程度の装着が必要であるのに対し、急速拡大装置の場合は長くても半年程度で治療が完了することがほとんどです。
急速拡大装置のメリット

急速拡大装置のメリットは、以下のとおりです。
短期間で上顎を広げられる
急速拡大装置は、短期間で治療効果が見込める点がメリットです。成長期の子どもの骨はやわらかいため、短い期間でも動きやすいのです。個人差はありますが、早ければ2〜3週間程度で上顎の顎を広げられます。
抜歯を回避できる可能性がある
顎が小さいと、歯が並びきらずに歯並びが乱れる場合があります。抜歯をしてすき間を空けてから歯を移動させて、歯並びを整えるケースが多いです。
また、上顎が十分な大きさに成長すると、永久歯が正しい位置に生えやすくなり、将来的に抜歯を回避できる可能性が高まります。子どもの健康な歯をできるだけ残したいと考えている保護者にとって、大きなメリットでしょう。
鼻づまりや口呼吸の改善が期待できる
上顎の骨は、鼻の通り道である鼻腔の床部分と接しています。急速拡大装置によって上顎が広がると、鼻腔の幅も広がります。鼻呼吸がしやすくなり、口呼吸の改善が期待できるのです。
口呼吸は、顎の筋肉のバランスが崩れて顎の成長が妨げられ、歯並びが乱れる原因になります。また、口呼吸をしていると口腔内が乾燥して細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。いびきをかきやすくなり、睡眠の質が下がる点も口呼吸のデメリットです。
顎のバランスの改善が期待できる
上顎が小さいと、下顎の歯が外側に出て、受け口や交叉咬合などの不正咬合を引き起こしやすくなります。急速拡大装置では上顎の成長を促すため、上顎と下顎のバランスが整い、噛み合わせや歯並びを改善できる可能性があります。
顎の成長バランスが良くなると、顔立ちも整いやすいです。
急速拡大装置のデメリット

急速拡大装置には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。事前にリスクを理解しておくと、治療中に生じるトラブルを最小限に抑えられるでしょう。
食事や会話で違和感が生じる
急速拡大装置は、口の中の天井部分に取り付けます。床矯正と比べて短期間で効果を得られる一方で、装着中の違和感はやや強い傾向があります。特に、会話や食事の際に「発音がしにくい」「飲み込みにくい」などと感じる方も多いでしょう。
しかし、数日から1週間程度あれば慣れてくることがほとんどです。慣れるまでの間は、食事のメニューに煮物やリゾットなどのやわらかいものを選んだり、1口サイズに切ったりしてあげるとよいでしょう。
歯磨きしにくい
急速拡大装置は自分で取り外せないため、装置の周りに汚れがつきやすいです。十分に歯磨きできていないと、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
装置の間に食べかすが挟まり、歯ブラシでは磨きにくい場合もあるため、歯間ブラシも使って丁寧に磨く必要があります。お子さまが自分で歯磨きをしたあとに、保護者の方もしっかり仕上げ磨きをしてあげましょう。
また、ガムやグミなどの粘着性のある食べ物は装置に引っかかりやすいため、できるだけ控えることも大切です。
保護者の協力が必要
急速拡大装置は、ネジを回して装置を拡大して顎の骨に力をかけ、上顎を広げていきます。誤ってネジを回しすぎたり、回し忘れたりすると治療に影響が出る場合があります。
子どもが自分でネジを回すのは難しいため、保護者の協力が欠かせません。1日に1〜2回程度、歯科医師の指示通りにネジを回す必要があると知っておきましょう。
初めは毎日ネジを回すのが大変に感じるかもしれませんが、慣れると難しくないはずです。毎日同じタイミングで行い、習慣化すると治療を続けやすいでしょう。
成長期を過ぎると効果が得られにくい
急速拡大装置は、上顎の骨がやわらかく、成長途中にある子どもが対象です。遅くても、永久歯の生えそろう12歳頃までに治療を開始する必要があります。成長期を過ぎると上顎を広げるのが難しくなるため、適応となりません。
お子さまによって治療を始めるべきタイミングは異なるため、早めに相談しておくことが大切です。
口を開けると目立つことがある
急速拡大装置は金属でできており、上顎の内側に固定されています。そのため、笑ったり口を大きく開けたりすると、装置が目立つ場合もあるでしょう。
特に、友達と話す機会の多い子どもや、見た目を気にする子どもにとって、負担に感じることも考えられます。目立つのを気にしている場合は「歯並びがきれいになるよ」など、ポジティブな声掛けを行いましょう。
顔つきが変わることがある
上顎が拡大されて顔つきが変わったと感じる場合もありますが、徐々に元に戻るとされています。さらに、成長に伴って顔つきも変わっていくため、気にならなくなることがほとんどです。
顔つきの変化について気になる方は、歯科医師に十分に相談し、納得したうえで治療を開始しましょう。
急速拡大装置で治療する場合にかかる期間

急速拡大装置を装着する期間は、3〜6ヶ月程度です。多くの場合、1〜3ヶ月程度で効果が表れますが、すぐに外すと顎の状態が元に戻る後戻りが起こります。そのため、顎が広がってからも装着したままにしておくことが多いです。
ただし、お子さまの顎の状態や歯並びによって治療期間は異なります。ほかの治療と併用する場合、その治療期間もあわせると半年以上かかることもあるでしょう。
急速拡大装置で治療する場合にかかる費用

急速拡大装置での治療は保険適用外です。費用は歯科医院によって異なりますが、装置代は3万〜5万円程度、通院費用は1回あたり3,000〜5,000円程度が相場です。
また、急速拡大装置での治療後、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を実施することも多いです。この場合は、総額で数十万円以上になるでしょう。
顎や歯並びの状態によって必要な費用は異なるため、くわしくは歯科医院で確認してください。
まとめ

急速拡大装置は、子どもの上顎の幅を広げる矯正装置です。上顎を広げることで歯が並びやすくなり、将来的に抜歯を避けられる可能性が高まります。また、早ければ2〜3週間の短期間で効果が期待できるのもメリットです。
ただし、食事や会話の際に違和感を覚えたり、口を開けると目立ったりする場合もあります。子どもが装置のネジを回すのは難しいため、保護者のサポートも大切です。治療の開始時期は歯並びや顎の状態によって異なるため、早めに歯科医院で相談しましょう。
急速拡大装置による治療を検討されている方は、千葉県印旛郡酒々井町「京成酒々井駅」より徒歩4分、「JR酒々井駅」西口より徒歩10分にある歯医者「あい歯科 矯正・こども歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、患者さまの「悩み」「想い」をしっかり聞いて、質の高い治療を提供しています。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、予防歯科、審美歯科、インプラントなどさまざまな診療を行っています。